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観劇三昧で考えた

  • 根津 弥生
  • 2016年12月20日
  • 読了時間: 4分

今日は、アピールポイントなしです。笑

ここのところ狂言をよく観るのですが、「三番叟(さんばそう)」というのがすごい踊りだというのを知りまして。

観たいなーと思い続け、ついに本日、観てきました♪

大手町座 記念公演

・三番叟

・舞囃子 乱

・狂言 若菜

三番叟、舞台を踏むんです、ドン、ドンと。

鼓と笛と掛け声と踏む音が重なっていきます。

あの、よぉーー、いょぉーぉぉーー、ぽん、ぽんぽん、というのがすごい好きなんです。

熱いセッションと、舞も袖を巻いたり払ったりどんどんスピードが上がる。

跳ねる踏むでエネルギーが巻き上がってゆく感じがします。

客席も引っ張られるような吸引力。鈴之段では高い音が加わり、トランスしてゆく。

めちゃくちゃかっこいい。

狂言の若菜は、主人とかい阿弥が野へ遊びに出掛け、女たちを見つけてナンパして一緒に酒を飲み舞い踊る。

かい阿弥がひょうきんで可愛らしく、強引にナンパする姿が可笑しい。

こんなアホな感想で情けない…

狂言 若菜の女たちは女形です。

能、狂言、歌舞伎など伝統芸能は、女形ですね。

いまは女性も演じてらっしゃいますが。

わたし、ここのところ、女形について考えております。

わたしは女ですので、「なぜ女がやらずに女形なのだろう」と、まぁ考えます。

昔はギリシャ悲劇もシェイクスピアも女形です。

まあこれは、時代のあれこれで神聖さとか穢れとか、そういうのがありますが。

現在の、女形についてです。

ここのところ、そういった舞台を観る機会が何度かありました。

先日日曜は、あやめ十八番『霓裳羽衣』。

その前の週はスタジオライフ『デイジープルズイットオフ 』。

あやめ十八番『霓裳羽衣』においては、あまりに好みすぎて、昨日も行きました(2日連続で観劇)。

12月は観劇三昧です。

現代の女形。

面白い、というのは当然あるだろう。どこがどう、面白いのか。その他の効果も必ずあるはず。

調べれば分かるだろうが、自分の目で観てどう思ったか。

そして、『霓裳羽衣』を観終え、だいぶ考えが進みました。

※公演は明日まで。ネタバレあります。

インドの神様と少女のおはなしです。

とにかくスケールがドでかい。

出演者20余名、全員おとこで、女形。

この舞台、女形の効果が炸裂していたと感じました。

天を裂き地を揺らすほどの神々のパワーが、俳優の太い声と身体から放出されまくります。

あんな中に放り込まれたら、どんな人間も非力な小さい生き物でしかないだろうな、と感じます。

恐ろしいんだけど、爽快であり、愉快でもある。

女神たちの取っ組み合いのケンカ、怒号、叫び。

とにかくどこまでもダイナミック。

ですから繊細なシーンもより生きてきます。

自分のプライドと進退のために(自分を拝む人間たちのためにも)、計り、騙して陥れ、蹴落とす政治。

みんなワーワー怒りまくっているのだが、その発端は主に夜の生活に関してで、哀れさが滑稽に見えてくる。

これも女形だからだ。

でなければ、ちょっと引くか同情すると思う。

そりゃみんな真剣だし可哀想なんだけど、そんなことが発端で下界の人間がばたばた死ぬ。

これも、原因の生々しさはそんなに後を引かず、結果の悲惨さのほうがはっきりしてくる。

復讐は復讐を呼び、人間を巻き込んでその運命を狂わせ、どうしようもない。

本当にどうしようもないんですけど、納得してしまうのです。

わー、あれはどうにも手がつけられないな。だって神だから。

あの神が悪いとかこの神が悪いとか、もうしょうがないよ、神だから。

と、まるで天変地異を受け入れざるを得ない時のような心境になっていました。

つまり、俳優たちが男でも女でも人間でもない、神となっていたのです。

そして女神に比べると本当に地味な、運命を狂わされるだけの人間の物語の輪郭が濃くなってくる。

「信じるべきもののほとんどは目に見えない」と、さだめに身を委ねるしかない・どこにもいけない人間たちの哀しさを虚しく観ていました。

これは、おんなでやったら全く違う焦点・印象の舞台になりそう。

女形ならではの今作だと思いました。

そして、ギリシャ悲劇の女形についても、そういうことか!と、納得した次第です。

じぶんおんなだからできないの悔しいっすけど、一層興味深くなりました、女形。

そしてまた新たな疑問が生まれました。宝塚はどうなんですかね!?

一度観たのは高校の時の修学旅行。行ってみますか。

 
 
 

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